「鹿児島の麦焼酎」


 サントリーが鹿児島の麦焼酎を発売しました。

 鹿児島といえば「芋」なのになんで「麦」?と 思われるかもしれません。
 しかし実は鹿児島は有数な「麦」焼酎生産地 なのです。とはいえその「麦」焼酎は鹿児島では あまり消費されていないというから不思議です。

 その理由は原料である「芋」の収穫時期にあります。芋は9〜12月くらいに収穫されます。芋は腐敗しやすく保存しにくいため芋焼酎の仕込みはその時期に限られます。

 日本酒の世界では北国の農家が冬の農業ができない時期に酒蔵に入り酒を造ったので、酒蔵の夏はお休みという伝統があったのですが、暖かい九州では蔵は通年稼動するのが常識 です。
 保存の悪い芋に対して、麦は保存のしやすい 穀物です。よって芋の収穫期以外は麦焼酎を作っているのです。

 しかし鹿児島の人はほとんど麦焼酎を飲ま ないので、それらは県外の麦焼酎蔵に売ることになります。県外の麦焼酎蔵はその焼酎と自分のところの焼酎をブレンドしたりして自分の焼酎として販売します。そういうことを「桶売り・桶買い」と言って日本酒の世界でもあることなのです。

 そこに目をつけたサントリーが、自社ブランドとして、桶売りされている麦焼酎を「鹿児島産 麦焼酎」として販売し始めたというわけです。 「減圧蒸留って何?」  穀物や糖分から作ったお酒を「醸造酒」と呼び それを蒸留したお酒を「蒸留酒」と呼びます。日本酒 vs 米焼酎(米) ビール vs ウィスキー(麦) ワイン vs ブランデー(ぶどう) がその例です。

 蒸留すると80゜Cくらいで水より先にアルコールが蒸発するので、それを集めて冷やすとより濃いアルコールが取れます。

 醸造酒はアルコール度20゜が限界といわれていますが、一回の蒸留で43゜くらいになるそうです。
 何度も蒸留を繰り返すと96゜くらいまで精製でき、 それを薄めると甲焼酎となります。

 蒸留する際、アルコールだけでなく、水や揮発成分といったものが一緒に蒸発し、原料などの味や香りが残ります。焼酎が原料によって味や 香りが違うのはそのせいです。

 今まではふつうに常圧で蒸留していたのですが、 最近気圧を下げる減圧蒸留という手法が用いられるようになってきました。気圧を下げてやると40゜Cくらいでアルコールの沸騰がはじります。
 ところが40゜Cでの沸騰はアルコールや香りなどの 揮発しやすい成分は蒸留しますが、味などの 高温度でないと揮発しにくい味の成分は常圧ほど 蒸留されないという特性があります。
 よって減圧で蒸留された焼酎は「香りは高いが 味がマイルド」となります。
 とくに芋や泡盛など味の特徴のあるタイプの 焼酎は減圧にすることにより飲みやすいものに仕上がります。

 一時期軽いタイプに主流が流れましたが、最近逆に「芋らしい芋がない」などと嘆く方も現れ、常圧と減圧がうまく飲み分けされるようになってきました。

2005/05/01




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