| おいしい生ビールの見分け方 |
昔は夏だけのお楽しみだった生ビールも今では一年中OnMenuしている店のほうが多くなってきました。とはいえ、というか、だからこそ、「おいしい生ビールが飲みたーい!」とはだれでも思うこと。 というわけで、お客がわかる、おいしい生ビールの見分け方をご紹介したいと思います。(ここに載せる以外にも、お客では見分けられないおいしさの要因もあります。なのであくまで目安程度で読んで下さい) 結論からいうと、おいしいかどうかは「生ビールに手間をかけているか?」ということです。 本来樽の中身は「新鮮でおいしい」状態でお店に届きます。しかし、「おいしい」ままの状態で注ぐには結構手間がかかるのです。生ビールは設置すればだれでも簡単に注げますが、ただ注ぐだけでは折角の生を台無しにしていることもあるのです。 まず、グラスはどこに置いてあるでしょうか? 冷蔵庫から出てきますか? グラスはビールの温度と同じ位に冷えていることが理想です。折角サーバーによって冷やされて出てきますから、グラスの温度が高いと、さめてしまいますし、温度差によって泡が立ちやすくなります。 ちなみに冷凍庫で凍るまで冷やしてあるところもありますが、確かに夏の暑い時にあの冷たさは快感ではありますが、ビール本来の味は感じなくなりますね。 次に、生ビールがテーブルに届いたら、グラスを見ましょう。内側に気泡がついてないでしょうか? 気泡がついているのは、グラスが汚れている証拠です。ビールは炭酸が命。気泡から泡が上っているビールはどんどん気が抜けていってしまっています。すぐまずくなります。 汚れている、といっても洗ってないわけではありません。生ビールに関しては、徹底的なグラスの洗浄が必要なのです。理想の洗い方では、まず洗う時はビール専用の洗槽を用意します。(油ものと一緒につけないため)スポンジもグラス用と他の皿用と分けて、手洗いでグラスのふちを重点に底まで洗います。その後グラスを逆さにして自然乾燥します。(クロスで拭くとほこりがつくので)(上を向けて置くと、空気に舞った油が落ちてくる)そして埃・油が入らないように保管します。 少なくとも注いだ時に、気泡がつかないところまできれいであれば合格です。 次に、泡、です。木目細かい泡が適量乗っていますか? 今のサーバーは専用泡立て器がついています。よって、生ビールは、ビールを注ぐ時は極力泡をつくらないように注いで、後から泡を乗せるのです。その注ぎ方をきちんと習得しているか?が腕なのです。 なぜ細かい泡がおいしさの秘訣なのでしょうか? 1.細かい泡は消えにくい。 一方普通にたった泡はしばらくすると消えてしまいます。泡がきえるとビールの表面が現れます。するとそこから炭酸が抜け、温度もさめやすくなってしまうのです。気が抜けて、冷めたビールがおいしいですか? まずそんなことはないでしょう。細かい泡はしばらくの間、気が抜けたり、冷めたりするのを防ぐ「ふた」としての役割を果たしてくれるのです。(最後の一口がおいしければお代わりもしたくなって売上も上がると思うのですが…) さらに、非常にうまく注げた生ビールは、細かい泡がへるどころか、飲むたびに攪拌されて新たな泡が作られ、最後まで消えないこともあるのです。その目安はビールと泡の間に「もや」のような層ができます。(それは同じ条件でついでも出る時と出ない時があります。) 細かい泡は一口飲むたびに、飲む前の水位に泡のあとが輪に残ります。それができるのも良い泡の目安です。 2.細かい泡は生ビールの味をマイルドにする。 細かい泡はコーヒーのクリームのよう役割を果たします。ビールを口に含む時、クリーミーな泡が一緒に入り、ビールの苦味をおさえてまろやかな味わいにしてくれます。 ちなみに酒屋の裏技を一つ。泡を良く見ると、二層あって、上の層はビールを注いだ時にどうしてもたってしまう荒い泡、下の層は泡だて器でたてた細かい泡(細かい分比重が重いので下に沈む)です。泡だて器の泡を出しつづけて、上の泡をこぼして、細かい泡だけの状態の生ビールを飲むと、唇にあたる細かい泡の感触がアイスクリームのようで、舌に当たるビールのあじわいのマイルドさに感動します。(私はスペシャルと呼んでいます) あとはお客から見えないところでは、サーバーは閉店後毎日水洗いすることが理想です。それがおいしい生ビールは手間がかかる所以です。前の日のビールがホースに残っていると、ビール酵母の死骸が付着し、ホースをとおるたびにそれに当たって泡が立ちやすくなります。あまりに洗浄しないとそのカスがビールに入ったり、変なにおいがしたりします。 そのほか、適切なガス圧が必要です。ガス圧が低いと気の抜けたビールになりやすく、逆に高いと、炭酸過多なぴりぴりしたビールになってしまいます。ガス圧は樽が置いてある場所の温度によります。 また、樽の置いてある場所が、火の近くであったり、昼夜の温度差が激しかったりすると生ビール自体が劣化する恐れもあります。ちなみに樽自体は常温であればお店で1週間くらいで飲みきることが理想ですね。 そんなところがビールメーカーさんのお勧めするおいしい生ビールの提供の仕方です。ただ、これを読んでも、飲み屋さんにいってああだこうだ言わないようにして下さいね。飲み屋さんも忙しい中で、やりたくても出来ないこともあるでしょう。理想は理想です。理想で無いビールが出てきたからと文句はいわず、理想のビールが出てきた時に「うまい!」といってあげましょう。それがお店を育てる理想のお客様、というものではないでしょうか…(合掌) 2000/12/13 |
